女王国の城 / 有栖川有栖
舞台は、急成長の途上にある宗教団体の聖地、神倉。大学に顔を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、4人はレンタカーを駆って木曾路をひた走る。〈城〉と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけず殺人事件に直面。外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し……。
わーい、有栖川さんの新刊ですよー!!
なんと前作から約15年振り(!!)の江神さん(というか学生アリス)のシリーズですよー。
私は江神シリーズの前作、「双頭の悪魔」が有栖川さんの作品の中では一番好きなので(あの美しいロジックにはやられたよ)、これも随分待ってた作品。ボリューム的には500ページを超える大作で、読み応えがありました(^-^)
好きな作家の新作を読んでいる間の時間は、ホントに至福の時間です。
最後まで早くたどり着いて犯人が誰なのか知りたい!と思うんだけど、この至福の時間が終わってしまうのも寂しい!という気分でいっぱい。
お話は1990年なんですね。アリスは3回生。うーん、自分と近いのでやたらとリアリティがあるな(^-^; バブルの頃で、当然ながら携帯電話もなく、就職活動は4年生になってからでもまだOK(でも当時「就活」とは縮めて言っていなかったと思う)。
私には犯人は当てられなかったよ(^-^; だってあんなに影が薄い人でいいんですかー。あ、一番怪しい人が犯人ではいけないのか。それにしたって・・・(ぶつぶつ)。
私に当てられたのは、江神さんから届いた手紙の内容だけかな(^-^;
教団側がなぜ警察を頑なに拒むのか、まで江神さんが見抜いていたのもすごいなぁ。でもよくよく考えれば思いつくようなことではあるけどね。あ、よく考えてない私が悪いのか。
「双頭の悪魔」よりは犯人推理の過程がドキドキするものではなかったのはちょっと残念ではあるけれど。学生らしく、アクションシーンもちょっぴり青春も盛りだくさんですよん。
やっぱり有栖川さんの文章、すごく好きです。
次の新作はいつかなー(^-^;
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